屋外における火災の予防又は消防活動の障害除去のための措置命令等について(第三条)
本文
消防長、消防署長その他の消防吏員は、屋外において火災の予防に危険であると認める行為者又は火災の予防に危険であると認める物件若しくは消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める物件の所有者、管理者若しくは占有者で権原を有する者に対して、次に掲げる必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
一 火遊び、喫煙、たき火、火を使用する設備若しくは器具又はその使用に際し火災の発生のおそれのある設備若しくは器具の使用その他これらに類する行為の禁止、停止若しくは制限又はこれらの行為を行う場合の消火準備
二 残火、取灰又は火粉の始末
三 危険物又は放置され、若しくはみだりに存置された燃焼のおそれのある物件の除去その他の処理
四 放置され、又はみだりに存置された物件の整理又は除去
② 消防長又は消防署長は、火災の予防に危険であると認める物件又は消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める物件の所有者、管理者又は占有者で権原を有するものを確知することができないため、これらの者に対し、前項の規定による必要な措置をとるべきことを命ずることができないときは、それらの者の負担において、当該消防職員に、当該物件について前項第三号又は第四号に掲げる措置をとらせることができる。この場合において、物件を除去させたときは、消防長又は消防署長は、当該物件を保管しなければならない。
③ 災害対策基本法第六十四条第三項から第六項までの規定は、前項の規定により消防長又は消防署長が物件を保管した場合について準用する。この場合において、これらの規定中「市町村長」とあるのは「消防長又は消防署長」と、「工作物等」とあるのは「物件」と、「統轄する」とあるのは「属する」と読み替えるものとする。
④ 消防長又は消防署長は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又はその措置の履行について期限が付されている場合にあつては履行しても当該期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法の定めるところに従い、当該消防職員又は第三者にその措置をとらせることができる。
解説
第1項
まず第三条第一項では、
屋外で火災危険があるものや消防活動に支障となるものに対して、消防職員がそれらを除去するように命令出来る権限について示されています。
例を挙げると、
焚き火や喫煙、火遊びなどが火災の予防に危険であると認める場合、消防活動に支障がある行為等に対して、それらの行為をやめさせたりすることが出来ます。ちなみに屋外で行われているものに限ります。
また命令の要件は、その命令を行う消防職員が認定すれば、
必ずしも現実的な火災危険がある場合でなくても認められることもあるみたいです。
ここでいう現実的な火災危険と言うのは、明らかに近くで火を使用しているとかです。
逆に現実的でないとは、「誰かが放火するかも」とか抽象的な火災危険であってもこの命令を行えるということです。
ただこの命令を行えるのは
勤務中の職員である必要があるようですので、なんでもかんでも命令に従う必要もないと言うのも知識として持っておくといいかなと思います。
第2項
第二項では、この命令をかけるときに相手が不明確で特定できなかった場合について示されています。
また相手を特定出来ず、物件等を取り除いた場合には保管することが定められているので、もし
勝手に除去された場合も保管はされているみたいなので安心してください。
第3項
第三項は読み替えについてなのて、一般の方には関係ないので省略します。
第4項
第四項は、この命令を受けた人がその命令に従わなかったり、または十分ではない場合に行政代執行を行える権利について示されおり、行政代執行法の特則について定められているのものです。
行政代執行と言うのは、行政上の義務を当事者が行わない場合に別の人が当事者の変わりにその義務を達成することです。
また、その費用は当事者に負担させるもので、やられる側はかなり大きな負担になってしまいます。
ただこれを発令するのは消防署長クラスなので、すぐに処分等でやられることはないと思います。
まとめ
消防署の人に、物を除去するように言われた時は素直に従ったほうがいいと思います。
ただ法令根拠に基づいていないと思った場合は食い下がる必要もあるので、知識の一つとして覚えていてください。
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